連戦氏が習近平総書記ら首脳と北京で会談

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~台湾総統府は関与せず~
 与党国民党の名誉主席の連戦氏(元副総統)は2月24日から3日間、北京で中国共産党の習近平総書記、胡錦濤国家主席と会談した。1月に共産党総書記を辞任した胡主席そして3月に国家主席に就任した習総書記両首脳と意見交換したもの。主に両岸関係について話し合いされ、今後、台湾と中国大陸の関係を建設的に発展させていくことで一致した。
 今回の会談は、連戦氏に対して北京から個人的に招待されたのもので、民間人として鴻海の郭台銘会長ら40人の業界人を随行しての北京訪問。台湾総統府は関与していない。
 連氏は過去、国民党が与党時代の2005年に胡錦濤総書記(当時)と初会談している。当時、歴史的な「国共和解」を演出し、両岸の「平和的発展」路線に道筋をつけた経緯がある。 
 今回の「連・習会」は、習総書記の就任後として初の台湾政治家との会談でもあり象徴的意義が深い。連氏と習総書記は旧知の間柄で知られるが会談で連戦氏は「一つの中国、両岸平和、相互利益と融合、中華の振興」という主張とともに、両岸は将来的に一種の対等で有効な政治的枠組みを確立するのが望ましい」との考えを表明した。これを受けて習総書記は「大陸は引き続き両岸関係の平和的な発展を推進、平和統一を推進したい」と応じた。、総書記としては初めてのこと。
  会談で連戦氏は「一つの中国、両岸平和、相互利益と融合、中華の振興」という主張とともに、両岸は将来的に一種の対等で有効な政治的枠組みを確立するのが望ましい」との考えを表明した。これを受けて習総書記は「大陸は引き続き両岸関係の平和的な発展を推進、平和統一を推進したい」と応じた。
 台湾の中国大陸政策機関である行政院大陸委員会は、今回の「民間交流」について「前向きに楽観視している」と表明。政府としては引き続き「一つの中国、それは中華民国(台湾側の主張)」というコンセンサスの原則に基づき、両岸関係を実務的に深化させたいとの立場を示した。
 連戦氏は帰国後、「習総書記と両岸関係の今後のことについて話すことができて本当に良かったと確信している」と自賛した。
 なお、今回の連戦氏北京訪問について総統府の李スポークスマンは、連氏帰国直後に「連戦名誉主席の北京訪問はあくまでも『民間人士の訪問』であり、馬英九総統は連主席に何ら特定任務を与えていない」と発表している。

※連戦…1936年台南市生まれ。台湾大学政治学部卒、アメリカ留学を経て、台湾大学政治学部主任、政治研究所所長を歴任。同時に国連総会の中華民国代表顧問にもなった。李登輝政権時代には、外交部長、台湾省政府主席を歴任、1993年には国民党副主席兼行政院長(首相)に就任。1996年総統選で李登輝総統とペアで当選し、副総統に就任。以後2回の総統選に出馬するも敗れる。以後、対中接近、2005年4月には初の中国訪問を果たし胡書記との会談を実現した。2005年7月より国民党名誉主席に就任。妻の連方瑀は台湾の第3回ミス・チャイナコンテスト優勝者。長男の連勝文氏は2005年の国民党大会で中央常務委員に選出されている。連戦氏は台湾では誰もが知っている大物政治家の一人である。