日本の大学が説明会開催 高雄と台北で

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早稲田大学は3月9日に高雄ホテル・キングダムで、10日には台北リージェント・ホテルで、それぞれ日本へ留学を希望する台湾人学生を対象にした大学説明会「Study Japan! Fair 2013 in 台湾」を開催した。この説明会には早大以外に多くの有名国立、私立大学が参加し、会場には日本の大学の情報を手に入れようとする多くの学生がつめかけた。

 

説明に耳を傾ける台湾人学生
説明に耳を傾ける台湾人学生

 

このイベントは、文部科学省が実施している「グローバル30(国際化拠点整備事業)」の一環として行なわれたもの。「グローバル30」は、日本の大学の国際競争力の強化及び、留学生等に魅力的な水準の教育を提供し、国際的に活躍できる高度な人材の育成を図ろうとする大学支援事業で、対象となる大学は早稲田大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学など13校が採択拠点として選ばれている。今回はこれらの拠点校13校と、北海道大学、関西学院大学など17校が参加した。

 

筑波大学の大庭良介助教(左)と木島譲次准教授
筑波大学の大庭良介助教(左)と木島譲次准教授

 

早稲田大学主催による大学生説明会は、台湾では初めての開催となる。早大側の担当者は「今までは日本語でしか学生を受け入れる事ができなかったプログラムを、英語で開放する事によって、より多くの対象者を、今までの10〜20万人の4〜5倍に広げる事ができる。また日本の文化や、技術に興味の有る人たちが、より日本に来やすくなる。4年間を通して専門分野と日本語を専攻してもらって、中国語、英語、日本語がマルチに話せる、グローバルな人材を育成したい」と、グローバル30の方針に併せて積極的に外国人学生を招きたい考えを明らかにした。

 

大阪大学のブース
大阪大学のブース

 

筑波大学の大庭良介助教は台湾の特徴について「(色々な分野が)発展しており、学生のレベルが高い」と話した。また、台湾との学術交流について、台湾大学を例に出して言及し「台湾大学とは、レベル的には同じ。逆に向こうの方(台大)が、世界的に有名。最終的には研究レベルでの技術交流や人材交流ができるようになれば良い。イーブンな関係を築きたい」と語り、台湾の学校や学生の水準が世界レベルに達しており、台湾人学生の誘致は「グローバル30」としても重要であると語った。

 

名古屋大学のブース
名古屋大学のブース

 

台北会場を訪れていた台北市の女子高生は「今三年生で、日本に興味が有る。日本の大学の情報を集めにきた」と話し、日本留学を具体的に考えるきっかけになったと話した。また、父親と二人で説明会に参加した高校二年生の少女は「早目に来て、きちんと留学準備をしたい」と話した。父親は娘が留学する事について「心配もあるけれど、色々試してほしい。今(日本語検定の)N2に合格して、今年の7月にN1を受ける予定。日本に興味があるなら頑張ってほしい」と、留学に前向きな姿勢を覗かせた。

また、朝5時に台湾中部の南投から高速バスに乗って会場に来たと言う南投高校外国語学科1年生の4人組は「(うちは進学校だから)2年生、3年生になると時間がなくなる。だから今のうちに情報を集めにきた」と話し、「大学卒業後は大学院にも進学したい」と将来の希望を語ったが、実際に留学できるかどうかは「奨学金がもらえるのであれば」と、学費の面でハードルがある事も語った。

 

早朝5時に高速バスに乗ってやってきたと言う南投高校一年生4人組
早朝5時に高速バスに乗ってやってきたと言う南投高校一年生4人組

 

説明会には朝早くから多くの学生が訪れ、台湾人学生の日本留学に対する関心の高さを伺わせた。早稲田大学は2008年から台北事務所を開設しているが、今後も台湾人学生の誘致に力を入れたい考えだ。