日本からの農業視察団が農業委員会を訪問 台湾フルーツ販路拡大に期待

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台湾フルーツの収穫期に、収穫、出荷状況を視察する「第四回台湾産地視察団」の団員13人が23日、農業委員会を訪問した。農業委員会側から台湾の農業に関する説明を受けた後、台湾フルーツに商機を見出そうとする日本側と、フルーツ輸出販路拡大を狙う台湾側で意見交換が行なわれた。

 

農業委員会を訪問した日本からの視察団メンバー。
農業委員会を訪問した日本からの視察団メンバー。

 

この視察は台湾物産館を経営する池栄青果によって5月21日から3日間の日程で実施されたもの。農業委員会の協力の元、台湾フルーツの旬の時期に各果物農園や関連施設を訪問し、台湾フルーツの美味しさや、取り組みを知ってもらうことが目的。農業委員会国際処の戴徳芳簡任技正も同行した。今回は日本から青果販売、スーパー、コンビニなど小売業者13人が参加し、台湾南部の高雄や屏東のバナナ、マンゴー、パイナップル、パパイヤ、ライチの栽培、出荷現状を視察した。

 

屏東県枋山のマンゴー農家視察の様子。
屏東県枋山のマンゴー農家視察の様子。

 

農業委員会では国際処許桂森処長、国際マーケティング科袁華興科長、動植物防疫検疫局陳子偉科長、農糧署作物生産組荘老達組長、農糧署作物生産組果樹産業科陳立儀視察らが意見交換会に参加。許処長は挨拶の中で「意見交流会を通して、優良な台湾の農産品を知ってもらうと同時に、台湾フルーツ購入の意欲を高めてもらえば」と話し、対日輸出拡大に期待した。池栄青果藤田克己社長は「台湾の果物をこれからも新鮮な状態で日本で販売をしたいと思っている。今後、どんな商品を日本で販売していけばいいのか協議をしていければ」と挨拶した。

 

農業委員会国際処許桂森処長
農業委員会国際処許桂森処長

 

意見交換会では、「対日輸出用青果の品目、生産量、輸出量と他市場との比較」、「農産品輸出検疫行程及び関係規定」、「青果輸出安全管理システムと潜在的輸出品目」の説明と紹介が行なわれた。その後に行なわれた意見討論会で袁科長は「日本の消費者が最も気にしている点は安全問題。政府、輸出業者、農家が一丸となって食の安全を追及している」、「品質部分についても、外観、食感、マンゴーなどの糖度なども徹底的に管理をしている」と台湾の取り組みを説明した。

 

池栄青果藤田克己社長
池栄青果藤田克己社長

 

また日本の参加者から日本ではメキシコ、タイ、フィリピンからもマンゴーが輸入されている点について言及があると、「台湾とその他の国の品種は異なる。台湾マンゴーの食感には自信がある。ただ、二年前から日本の業者から沢山の意見も頂戴しており、国内業者に指導や取り組みの強化を行なっている」と、台湾マンゴーが他国産と比べても高品質であることを強調した。

 

農業委員会国際処戴徳芳簡任技正
農業委員会国際処戴徳芳簡任技正

 

台湾フルーツの輸出を巡っては、円安や他国産の商品との競争激化など、日本市場開拓の環境は厳しくなっている。しかし農業委員会は日本市場を重要な輸出先と位置づけており、台湾農業界全体が一体となって、販売キャンペーンや、試食イベントなどを行い、「安全で高品質」を武器に引き続き販路拡大、輸出量増大を図りたいとしている。

 

意見交流会の様子。
意見交流会の様子。