2013フードタイペイ開催 「台湾館」は食の安全性向上をアピール

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中華民国対外貿易発展協会は6月29日、台北市の世界貿易センター世貿一館と南港エキシビジョンセンターで「第23回台北国際食品博覧会(2013フードタイペイ)」を開催した。台湾をはじめとする世界各国からの食品が展示、紹介され、新しいビジネスチャンスをつかもうと、国内外から多くの来場者がつめかけた。

 

フードタイペイ最大パビリオンとなった「台湾館」
フードタイペイ最大パビリオンとなった「台湾館」

 

この催しは「台北国際食品加工設備及び製薬機械展」‧「台北国際包装工業展」‧「台湾国際ホテル及び飲食設備用品展」‧「台北国際清真食用品展」と同時開催されたもの。今年は1557社、3637ブースが参加し、6万人の来場者を見込む台湾最大級の食品関連イベントだ。そのうち、フードタイペイには日本、アメリカ、韓国、カナダなど30カ国からの外国企業を含む997社が参加。中には調理のデモンストレーションや試食活動を展開するブースもあり、来場者の注目を集めた。

 

フードタイペイは世界貿易センター世貿一館と南港エキシビジョンセンターの二カ所で行なわれた
会場の様子。フードタイペイは世界貿易センター世貿一館と南港エキシビジョンセンターの二カ所で行なわれた

 

行政院農業委員会は台湾企業80社と共同で最大パビリオン「台湾館」を設置。農業、林業、漁業、畜産業及び加工食品など5大分野で台湾の食材を紹介。台湾では最近になり、違法な原料を使用した食品が市場に大量流通していたことが明らかとなり、食の安全性に重大な欠陥があったことが顕在化したばかり。陳保基主任委員は挨拶の中で、「農業委員会は今後、食品の安全に関する国際基準を許容し、国際レベルへの引き上げに取り組む」と語り、安全認証制度の導入による安全品質向上を強調した。食卓から農場までさかのぼってみることができるシステムの導入で、不信感の払拭を狙いたい考えだ。

 

農業委員会陳保基主任委員
農業委員会陳保基主任委員

 

一方で、農業委員会国際処戴徳芳技正は、日本からの視察団も台湾館を訪れていると言い、台湾南部で養殖が盛んな石斑魚(ハタ)を「今後スポットライトを当てたい品目」だと語る。ハタはサバヒーと並んで台湾ではよく食される白身魚で、肉厚でプリプリの食感が楽しめる。台湾水産品の大部分はヨーロッパ連合諸国にも輸出可能で、豊富な水産資源を武器に新たな市場開拓を狙う。一方で、阿枝生技蜂蜜有限公司張万得総経理が手がける蜂蜜は、2010年「第三回桃園十大ギフト」に選ばれた一級品。日本への進出も検討していると言う。

 

安全認証制度導入で食の安全性向上を狙う
安全認証制度導入で食の安全性向上を狙う

 

会場には海外からの来場者もいた。加工用機械を視察しに中国江蘇省から来たと言う男性は、「色々な加工品も展示されていて参考になる」と話す。マカオから来たと言う男性二人は「どんな新しい食材があるか、毎年来ている。日本ブースもまわっている」とする一方で、「(日本の企業と)知り合っても、言葉の問題で商談に進まないこともあるけれど」と話し、継続的な関係の構築には、言葉の壁の克服が欠かせないことも示唆した。