国内のみならず幅広く世界中の版画家達との版画交流を推進することを大きな目的としているプリントザウルス国際版画交流協会(=宮山広明会長、以下:プリントザウルス)は11月12日より17日の期間、ルアン銀座ギャラリーにて日本台湾国際版画交流展を開催している。
同展はプリントザウルスメンバーの永井雅人さんが主催し、若い作家達の交流の機会作りを目的に開催したもの。日本からの作品はプリントザウルスのメンバーの作品の中からそれぞれ技法が異なるものを10点選んで展示しており、台湾からの作品は台湾藝術大学の学生及び卒業生の作品を6点展示している。
開催初日の12日には作家たちによるオープニングパーティーが行われ、日本の作家および関係者、そして宮山会長の生徒である千葉県立松戸高等学校芸術科の学生らが参加したほか、台湾からは作家の張婷雅さんと廖峻立さんが来日し参加した。同パーティーではそれぞれ自身の展示作品紹介や尾崎羽奈さんと佐原敦子さんによるバイオリン演奏などが行われ終始、和やかなムードで交流が行われた。
プリントザウルスは1987年に発起人である宮山会長が台湾国際版画ビエンナーレ教育部長賞を受賞し、訪台した際に台湾の若手作家からの「日台の交流をやらないか」という声掛けをきっかけに設立され、今では世界中の作家との交流をするまでに広がっている。現在約40人のオリジナル版画を制作する版画家達によって構成されており、作家自らが運営し数々の活動を行って来た。
宮山会長は「台湾から始まり、世界への繋がりを築いてきたプリントザウルスが、このような若い世代の交流展示会を通し次世代にバトンタッチしていくことが出来ることをとても嬉しく感じている。若い人達には、待っているだけでなく自らの意志で動いてほしい」と述べていた。
オープニングパーティーで張さんは「台湾と日本の版画は少し異なる。台湾は風景などの絵が多いが、日本は自分の感じたものを自由に表現しているし、技法も様々。今回はとても勉強になりました。これを活かし、今後も作品作りを続けていきたい」と意欲を話した。
また、永井さんは「同展を台北でも開催出来たら」と、次なる交流へ希望を述べていた。