分断後初の中台首脳会談へ

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台湾の総統府は11月3日夜、馬英九総統が11月7日にシンガポールを訪問し中国大陸の習近平国家主席と会談する、と発表した。中台(両岸)の首脳が会談するのは1949年の分断後初めてのことであり、台湾、中国大陸、そして日本の各メディアが大きく報道している。馬総統は5日に記者会見を開き、会談の意義などについて説明する。

中国大陸の外務省はこれに先立ち、習主席が7日から8日にかけシンガポールのトニー・タン・ケン・ヤム大統領に招かれて同国を訪問すると発表しており、馬総統はこれに合わせ、7日に同国を訪れる予定だ。台湾メディアの報道によると、総統府の陳以信報道官は3日、同会談の目的を「両岸の平和や台湾海峡の現状を維持する」と発表。協定への署名などは予定していないが、両首脳は平和をテーマに語り合うとしている。

 なお、台湾次期総統選で優勢が伝えられている、独立志向の強い台湾最大野党の民進党は4日、同会談発表を受け「台湾に(首脳会談に対する)共通認識がないのに、密室で進める馬政権のやり方は民主主義に反する」と反発の声明を発表。同党は、同会談が両岸統一交渉に結びつく可能性を懸念している。

 総統に就任して以来、馬総統は習国家主席との会談を強く希望しており、昨年11月に北京で開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の場で習国家主席との会談を模索していたが、中国側が「国際会議の場を借りる必要はない」と拒否し、実現に至らなかった。日本のメディアは4日、任期が残り約7カ月に迫った馬総統がこのタイミングに習国家主席と会談をすることについて“来年1月の台湾次期総統選で苦戦が予想されている与党・国民党が、中台関係改善を誇示することで選挙に影響を与える狙いもありそうだ”と報道。同会談の発表により、来年の次期総統選への注目度もさらなる高まりをみせる。

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