日台で租税協定などの覚書調印、EPA締結に拍車

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日台間でこれまで継続して検討されている包括的なEPA(経済連携協定)の締結。このほど、新たに日台間で3つの覚書が締結され、EPA締結実現がさらに一歩前進した。

 

3つの覚書締結に笑顔で抱き合う交流協会の大橋光夫会長(右)と亜東関係協会の李嘉進会長
3つの覚書締結に笑顔で抱き合う交流協会の大橋光夫会長(右)と亜東関係協会の李嘉進会長

日本の対台湾窓口機関である交流協会(大橋光夫会長)及び台湾の対日窓口機関の亜東関係協会(李嘉進会長)は11月25日と26日の2日間、ホテルオークラで「第40回日台経済貿易会議」を開き、26日の同会議閉幕後、日台間の二重課税や脱税などの防止を目的とした「日台民間租税取決め(以下:租税協定)」、そして日台の競争法(独占禁止法)の効果的な執行に貢献することを目的に、両協会が協力する内容を明記した「日台競争法了解覚書」、さらに日台間の防災実務に関する情報共有や意見交換を密に行い交流を強化するための「日台防災実務協力覚書」の3つの覚書を締結した。

 

 

 

配当課税など減免で投資促進

 

このほど日台間で締結された3つの覚書で、最も注目されていたのは租税協定だった。租税協定は、進出企業の税負担の軽減などが可能で、日台双方の投資を促す狙いがある。

租税協定の発効後には、日台間で支払われる配当などに対する税率が引き下げられるほか、出張者への二重課税の解消、現地子会社から配当などを送金する際に源泉徴収される税率が引き下げられる。また、現地に支社を持たず新たに進出する企業に限り、営業利益が免税となるメリットがある。

台湾は現在、IT(情報技術)産業などで中国大陸や韓国との激しい競争の渦中にあり、租税協定を通じて日本の先端企業などの招致を促進し、産業構造の高度化を図りたい考え。こうした背景から租税協定では、日台間で支払われる配当と利子、使用料について、源泉地における課税の税率を10%に引き下げた。日本企業の台湾子会社が配当などを日本の親会社に送金する際、金額の20%が台湾で源泉徴収されている現行から、協定後は同税率が10%となるという。

李会長はこの点について「台湾は日本にとって第4位、日本は台湾にとって第3位の貿易パートナーである。両国間の投資額、利益は多大なものであるが、公正公平な租税制度がなければさらなる投資促進は出来ないだろうと考えていた。このほどの租税協定締結は非常に意味深い」と述べた。

租税協定は今後、法整備などの手続きを経て、早ければ2017年1月に発効する見通し。台湾は、今年8月には中国大陸とも租税取り決めを締結しており、これまでにも英国やインドなど29カ国・地域と租税取り決めを締結してきた。今回の日本との締結は30回目にあたる。

一方、大橋会長は今回の締結について、「今日締結した3つの覚書は、それぞれの分野で情報の交流や意見交流を円滑に行うもの、日台間の協力関係を深めるためのものであり、極めて重要、有益だ」と述べたほか、安倍晋三首相の「台湾は日本にとって同じ価値観を持つ大変有望なパートナーであり大切な友人である」という言葉を引用し、「長年の月日を経て構築された揺るぎない関係こそ日台間の宝物だ」と日台の絆を強調した。

両協会は1972年以降これまでに投資協定(2011年)、オープン・スカイ協定(2011年)、特許審査ハイウエー覚書(2012年)、漁業権をめぐる協定(2013年)など、61個の各種取り決めを締結している。

 

 

 

李会長、EPA締結に向け日本側の再検討を要求

 

李会長は同日の会議後の記者会見で、最終目的は日台間EPA(経済連携協定)締結であることを強調した。「今日は積み木柄のネクタイを締めてきた。我々は、もとより積み木方式で覚書の締結を推し進めてきており、このほどの3つの協定締結は日本とのEPA締結前の最後の重要な積み木の1つである。台湾はすでに準備を整えた」(李会長)と述べ、EPA締結に期待感を示した。

一方で、EPA締結に向けて現在直面している問題点についても言及。「台日経済連携委員会はすでに2回の会議の場を設けた。しかし今年は日本食品の輸入規制問題の関係で、日本側は会議を2回キャンセルした」と、日本側に対し遺憾の意を示し、「日台間貿易量における食品部門の割合はとても低い。食品問題に影響を受けるべきではない」とした。そのうえで、「日本側は全体的に良く考慮し、話し合いを重ね、来年6月と11月に開催を予定している台日経済連携委員会の会議に備えて頂きたい」と強く要求した。

 

あと一歩のところまで来ている日台間EPAの締結。日本側の前向きな姿勢に期待が持たれる。

 

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