ライアン・スーの描く幸運の動物たち

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「Lion and peony」
「Lion and peony」

 台湾人アーティストのライアン・スー(蘇修賢)の新作個展「The honorable visitornew paintings−(中国語題:光榮之訪者、日本語題:誇り高き訪問者)」が2016年1月15日から1月30日まで、銀座のMEGUMI OGITA GALLERYで開催されている。ライアンは昨年にも同ギャラリーが運営するshowcaseで個展を開催しており、展示した8作品全てに買い手がつくほどの好評を得たことを受け、このほど2回目の個展開催に至っている。

 同展にライアンが台湾から持って来たのは、1年弱の期間で制作した作品15点。ギャラリーの真っ白な壁に、黒地のキャンバスに描かれた白い15匹の愛くるしい動物達が展示されている。

ギャラリーには15点の作品がゆったりと展示されている
ギャラリーには15点の作品がゆったりと展示されている
都内でこの広さのギャラリーは珍しいという
都内でこの広さのギャラリーは珍しいという

 「僕はモノクロで動物を描いている。この作風で描き始めたのは2013年の頃。それまでは色味のある絵を描いていたが、より内面を表す方法を探る中で黒地に白で描くという独自のスタイルが出来上がった」(ライアン)

台湾人アーティストのライアン・スーさん
台湾人アーティストのライアン・スーさん

 ライアンは以前より、動物やモノなどに意味を持たせる東洋的な考えを重んじており、自身が描く動物たちにも1匹ごとに異なる意味を持たせ、内面を表現してきた。ライアンの描く動物は、見た目の可愛さで人を引きつけるが、能く能く鑑賞すると動物の頭に角のような尖りがあったり、身体に小さな星のような光の集積が描かれていたりと、神聖な雰囲気を醸し出している。

「Walking in the forest」
「Walking in the forest」

 「僕の絵にはモデルはいない。僕が描く動物たちは、想像の中で出来上がっていく空想の生き物だ。描く動物それぞれのもつ個性や輝きを表現しており、東洋文化に倣って幸運の意味も込めている。今回は15匹の幸運を台湾から連れて来た」(ライアン)。

 ライアンの作品に魅力を感じているという同ギャラリーの荻田徳稔氏は、初日の15日に行われたレセプションで「昨年もライアンの個展を開催し好評を得たが、たった1度の個展ではすぐに皆に忘れられてしまう。何度も同じアーティストの個展を開催することで、観て頂く方々の中でそのアーティストを消化して自分の中に刻んでもらいたい」と話した。ライアンの個展も、3回、4回と続けていきたい考えだという。同レセプションには台湾文化センターの朱文清センター長らも訪れ、ライアンから絵画の持つ意味について説明を受けた。

台湾文化センターの朱文清センター長(左)も個展を鑑賞した
台湾文化センターの朱文清センター長(左)とライアン・スーさん(右)
作品の持つ意味について、台湾文化センターの朱文清センター長(右)に説明するライアン・スーさん(中央)
台湾文化センターの朱文清センター長(右)も個展を鑑賞した

 「僕の夢は描いた動物たちを世界中に連れて行き各地で個展を開く事。今までに日本、上海、ニューヨークでも開催してきた。また、日本も大好きな国。来ると大体1ヶ月は滞在している。今後は絵を通じた日台交流もしていきたい」(ライアン・スー)。

ライアン・スーさんの個展は1月30日まで
ライアン・スーさんの個展は1月30日まで 

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