台南で八田與一慰霊祭

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 日本統治時代の台湾南部でダム建設などに尽力した土木技師、八田與一の没後70年を記念する慰霊祭が8日、台南市の烏山頭ダムのほとりで行われた。台南市では氏の貢献をたたえ、毎年命日である5月8日に慰霊祭を行なっており、今年は台湾の蕭万長副総統をはじめ台湾と日本から約700人が集まった。
 
 蕭万長副総統は「八田技師は台湾の農業と経済発展の礎を築き、ダムやかんがい施設は後世の人たちに恩恵をもたらしている」と述べ、その功績をたたえた。また、参列した八田技師の孫・修一氏は、東日本大震災後、台湾から多大な義援金が日本に贈られたことに触れ、「祖父がダムを作ったのは、台湾の農民を救いたいという気持ちからだったと思いますが、去年の震災では困っている日本人を救おうという台湾の人たちの熱い気持ちに心を打たれました」と述べた。
 
 また、行政院農業委員会の陳保基主任委員は同日午前11時、同市の八田與一記念公園で、嘉南農田水利会の楊明風会長とともに、八田氏の肖像画と烏山頭ダム工事画の複製画の除幕式を行った。陳主任委員は「この2枚の絵画は八田氏がダム建設の時に書斎に掛けていたもので、いま嘉南農田水利会にあらためて飾られるということには歴史的に大きな意義がある」と指摘した。