熊本地震、台湾からの支援広がる

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ここ数年、地震などの天災が多発している日本と台湾。大きな被害がでる度に、日台間で救い合いの連鎖が起きている。熊本県で4月14日夜に最大震度7を記録した大地震発生後も、熊本県を中心に余震が相次いでいる事や被害の苛酷さを受け、台湾からの支援の動きが広がった。

熊本城の城壁崩壊(提供:中央社)
熊本城の城壁崩壊(提供:中央社)

15日に熊本県に対して1000万円の義援金を送ると発表した中華民国政府は16日、馬英九総統の指示で50万米ドル(約5400万円)の増額を決定し、約6400万の義援金を被災地へ贈った。馬英九総統は15日、台北駐日経済文化代表処を通じて安倍晋三首相に見舞いの言葉を送ったとしており、民進党の蔡英文次期総統も同日、馬総統よりも早い段階で日本の対台湾窓口機関の交流協会に対し、協力が必要な場合は力を尽くすと表明していた。さらに民進党も、16日に100万元(約340万円)を寄付すると発表した。台湾メディアによると、国民党主席に当選した洪秀柱氏や蘇嘉全立法院長なども被災地の状況を案じるコメントを発表している。

蔡英文氏のFacebookより
蔡英文氏も熊本に向けてメッセージを送った(蔡英文氏のFacebookより)

なお、地方政治の首長らからも支援の声は続々と寄せられた。台北市の柯文哲市長は「台湾の過去の災害で日本の友人は最大の協力をしてくれた」とフェイスブックに書き込み、支援の意向を表示。さらに台中市の林佳龍市長、台南市の頼清徳市長、高雄市の陳菊市長は給与の1カ月分を寄付し、市に義援金を募る窓口を開設する考えを示した。一方、新北市政府消防局では隊員30人と救助犬1匹からなる救援隊を結成し、随時出動可能な態勢を整え、台北市、基隆市などのレスキュー隊も派遣に向けた準備を整えた。

また、台湾におけるバナナの主要産地である屏東県の呉麗雪副県長は18日、交流協会高雄事務所の中郡錦藏所長に対し、熊本地震の被災地にコンテナ1個分のバナナを提供したい考えを示した。呉副県長は、行動によって支援と被災者救援の意を表すことで、被災地の人々が一刻も早く震災の痛みを乗り越えられるよう後押しできればと話した。また、「必要があれば、災害救助の経験豊富な救援隊と果物の物資をいつでも被災地に送る用意がある」とも述べた。

中郡所長は、現在熊本県は多くの場所で道路が寸断され、交通網に影響が出ているほか、物資も足りているとし、現時点では物資支援の必要はないとした。一方、屏東県からの温かい気遣いについては、日本政府と被災者に伝えるとした。

 

 

民間、華僑界からも支援相次ぐ

台湾の中国信託金融ホールディング(以下:CTBC)傘下の中国信託商業銀行と東京スター銀行(東京都)は18日、熊本地震における被災地の復旧のために、義援金として計1000万元(約3400万円)を寄付すると発表した。CTBCの顔文隆董事長は「日台は政府や民間の交流が頻繁なのはもちろん、同グループと日本の縁も深い」と強調し、「熊本県の被災者に1日でも早く普通の生活を取り戻してもらうために援助を行うべきだ」と述べた。このほか、熊本県のマスコットキャラクター「くまモン」をテーマにした台北市内のカフェ「KUMA cafe」も募金を開始している。

なお、華僑界としては、在日台湾不動産協会が100万、日本台湾商会連合総会が200万、媽祖廟が226万の義援金をそれぞれ熊本に寄付した。(2016/4/29)

(元=ニュー台湾ドル)

 

 

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