「太陽の子」上映会に主演女優アロ・カリティン・パチラルさん来日

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実話をもとに映画化し、台湾社会に感動を巻き起こしたアミ族の家族と故郷の再生物語、映画「太陽の子」(原題:太陽的孩子)の上映プロジェクト「太陽の子ウィーク」が9月10日から19日まで、東京、静岡、神奈川、福岡など各地で行われている。

座間市のハーモニーホールで行われた上映会のトークショーにて
座間市のハーモニーホールで行われた上映会のトークショーにて

9月10日から13日にかけて開かれた上映会では、同作の主演女優であるアロ・カリティン・パチラル(阿洛‧卡力亭‧巴奇辣)さんも特別に来日。アミ族の赤を基調とした伝統的民族衣装で登壇したアロ・カリティン・パチラルさんは、同作撮影の裏話や台湾原住民、アミ族に関するトークを行ったほか、映画の中でも使用されたアミ語の歌などを披露。観客は透き通るような美しい歌声に酔いしれた。

アロ・カリティン・パチラルさんは、映画の中でも使用された初めてアミ語で作詞した歌などを披露
アロ・カリティン・パチラルさんは、映画の中でも使用された、初めてアミ語で作詞した歌などを披露

13日に座間市のハーモニーホールで行われた上映会で一通りの来日イベントを終えたアロ・カリティン・パチラルさんは、「先日の上映会で、サイン会の時に日本人の方が私のところへ来て涙ぐみながら『こんな素晴らしい映画を作ってくれてありがとう』といってくれた言葉がとても嬉しく、心に残りました。また、毎回取材に訪れてくださった日本のメディアの皆さんも、台湾人のメディアの方より私の映画を本当に丁寧に観て取材してくれた事にも感謝しています」と感想を話した。また、今後については、「いつかは日本の映画館で上映出来る事を祈っています。それが実現すれば、映画の中の家族全員で舞台挨拶に帰ってきたいです」としたほか、「この映画は子供目線で社会を見るという事もテーマになっています。是非日本の子供たちにも同作を見てほしい。子供にはとても心に残る作品だと思います」と更なる期待を述べた。

トークショーではアミ族の衣装を着て登壇
トークショーではアミ族の衣装を着て登壇

同プロジェクトの発起人は元朝日新聞台北支局長で現在フリージャーナリストの野嶋剛さん。台湾で同作を観て感動を覚えたという野嶋さんは、半年たってもなかなか日本上映の機会に恵まれない事を見かねて、「日本の皆さんにも紹介したい」との強い思いで自ら動き出し、台湾側の製作サイド、日本の台湾映画同好会や台湾文化センターのサポートを得て日本での上映実現に至った。今年の6月から上映を開始していたが、今回は同プロジェクトのピークとして太陽の子ウィークを開催した。

同プロジェクト発起人でフリージャーナリストの野嶋剛さん
同プロジェクト発起人でフリージャーナリストの野嶋剛さん

「太陽の子は、色々と考えさせられる映画です。私自身何回も同作を観ていますが、観るたびに涙が出てしまいます。現在では、日本の各地から同作を上映したいという言葉を沢山頂いています。これからも同作の上映は続けていきたいと思いますので、同作を観た方は口コミをしていただき、それを通じて同作が日本社会に伝わっていく事に期待しています」(野嶋さん)

同作を観た観客からは、「私はあまり映画で泣かない方ですが、同作には何度もこみ上げるものがあった」、「日本のニュースでは知る事のできない台湾社会における原住民の方の問題や、生活の様子を知る事が出来た」など様々な感想があった。

同作は9月15日、17日、19日に福岡アジア美術館あじびホール(福岡市博多区)で開催される「台湾映画祭2016」で観ることが出来る。また、上映情報は随時フェイスブックページなどで更新される。

 

~太陽の子~

台湾・花蓮の先住民・アミ族が暮らす港口集落。美しい海岸線に張りつくように広がった長い歴史を持つ小さな村に突然持ち上がった、大型ホテル建設計画。先祖伝来の土地が失われる危機に、村人たちは『開発か、伝統か』の間で大人も子供も悩みながら、必死に次々と起きる困難に立ち向い、伝統の米『海稲米』の復活に賭けることで、いったんは失われかけた『絆』を取り戻していく。

実話をもとに映画化され、2015年の公開後、台湾社会に感動を巻き起こした家族と故郷の再生物語。映画『陽陽』監督の鄭有傑(チェン・ヨウジエ)と、この物語の実際の主人公であるアミ族の女性の息子、勒嘎‧舒米(レカイ・スミ)の2人による共同監督。アミ族のアーティストである舒米恩(スミン)が、台湾金馬奨の最優秀オリジナル映画主題歌賞(最佳電影原創歌曲獎)を受賞した主題歌『不要放棄』を歌い上げる。