トランスアジア航空、仙台線開設で“復興”促進に意欲

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トランスアジア航空(本社:台北市、中国語名:復興航空、GE)は2016年10月6日より、仙台=台北(台湾桃園国際空港)線を新たに開設し、週2便(週2往復)での運航を開始した。1951年、国内初民間航空会社として創設し、現在では日本国内6空港(新千歳、旭川、函館、東京「成田」、大阪「関西」、那覇)に就航しているトランスアジア航空だが、東北地方において定期便を運航するのはこれが初めてだ。

仙台ー台北便、就航記念式典の様子
仙台ー台北便、就航記念式典の様子

なぜ今、東北地方・仙台なのか。これについて、トランスアジア航空日本支店の江許賢支社長は「トランスアジアの中国語名は復興航空。それ故に、東北への“復興”支援には特別な意義がある。今回の同路線の就航が東北地方の復興支援に繋がるとも考えている」と語る。

トランスアジア航空日本支店の江許賢支社長
トランスアジア航空日本支店の江許賢支社長

江支社長によると、台湾は東日本大震災後、一番に飛行機で福島に降り立った国でもあり、全世界で一番地震の影響を怖れていない国と言えるという。「東北の復興支援をしていく為、同じ気持ちで頑張って行きたい」。

また、同路線の就航は日本側のインバウンドとしての効果も十分に見込めると予想される。「だいたい1度の日本旅行で2ヶ所へ旅するという傾向を持つ訪日台湾人観光客だが、今まで訪日台湾人観光客が東北へ行こうとすると、直行便の少ない東北への旅行では、旅費はとても高くなってしまっていた。このたび復興航空が同路線を就航させた事により、訪日台湾人観光客は東京から仙台へ行き、東京付近の羽田空港などに戻ることなく仙台から台北に帰国する事ができる。また、北海道に到着した場合でも、先日開通した北海道新幹線を用いて仙台までの旅途で時間を無駄にする事なく日本を楽しみ、そして北海道に戻る事なく仙台から直接帰国する事ができる」(江支社長)。

この様に台湾人にとっても便利となった同路線の就航。就航から現在までのデータによると、同路線の平均搭乗率は70%に昇るという。そのうち台湾人と日本人のパーセンテージは、70%:30%。台湾人の搭乗率の方が上回る結果となっている。これについて江支社長は、「日本の東北は冬になると大雪が降り、とても寒く、近場で遊ぶというよりも海外へ出向く傾向を持っている。冬本番となるこれから、搭乗率が増加するだろう」と期待を示した。

また、このほどの同路線就航のほか、同日にはチェンマイ便、12月からは福岡・釜山・バンコクを目的地とする国際線を開設する。さらに、1月からは台湾の高雄から沖縄への路線も就航するという。トランスアジア航空はこのように北東アジア地域のネットワークをより一層整備するだけではなく、再び東南アジア地域に進出することを狙いとして、全力で挑んでいく姿勢を明確にしている。特に近年、日本、韓国、タイの訪台旅行客数は成長傾向にあり、これらの路線を整合していく構えである。

江支社長は、日本市場の目標として、「日本の旅行客については、日本便を始めた頃の利用率が30%ほどだったのに対し、今は全線平均50%に成長した。今後は、これを60%に出来るように努力していきたい」と述べている。

トランスアジア航空の職員及びCAと台湾観光局のオーベア
トランスアジア航空の職員及びCAと台湾観光局のオーベア

 

3枚買うと1枚無料?!

トランスアジア航空では12月1日より来年の1月31日の期間、台湾観光局と協力し、航空券を3枚買うと1枚無料となるキャンペーンを開始した。同チケットは、トランスアジア航空のネットで予約出来るほか、日本の旅行会社にも販売されている。江支社長は、「現在、団体旅行やパッケージツアーを利用することなく 個人でチケットを購入して海外旅行をするのは、ほとんどが若い女性。このキャンペーンを通じて、いつもはツアーに参加しているような家族旅行のお客様にも利用してもらい、自由に台湾旅行を楽しんでもらいたい」と期待を述べている。

また、その上で江支社長が来年力を入れたいと意気込むのが、台湾での国内線利用だ。トランスアジア航空の国内線は現在、花蓮、馬公(澎湖)、金門へ就航しており、日本の予約サイトからも予約可能である。「訪台日本観光客の皆さんは、3泊4日で台湾旅行に来ても、ずっと台北だけに留まる人が多い。トランスアジア航空には国内線があるので、これを利用し、もっと地方へも行ってほしいと思っている」と述べたほか、「国内線はとても時間を節約できる。澎湖までは30分ちょっと。花蓮なら20分程度で行ける。来年度の目標として、国内線利用客が増えるように、PRしていきたい」と目標を語った。

この様に、改革を怖れず、常に成長し続けるトランスアジア航空。今後の取り組みにも注目していきたい。