李素貞さん個展ついに開幕!

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李素貞さんの創作油絵個展「一人の母親が描いた台湾」が4月5日、東京芸術劇場5階ギャラリー1で開幕した。会場には李さんの作品71点が展示されている。構成ごとに部屋が分かれており、まるで迷路のような会場の造りには、次の部屋への想像や期待が膨らみ、作品は元より、会場の雰囲気も楽しむ事ができる。この特殊な工夫は、同展主催者であるフリージアグループの佐々木ベジ会長の発案だという。

展示会の様子

李さんは同展開催に当たり、「5年前に父が話してくれた70年以上も前の台湾の苦難の過去を、今度は自分が引き継ぎ、絵を通して多くの人に伝える義務がある。一人の母として、過去に長年体験してきた台湾人の恐怖や不安を日本人に伝えたい」と同展の主旨について話したほか、「まさか東京で自分の個展が開かれるとは思いもせず、本当に光栄である」とコメントした。

作品の紹介をする李さん

 

なお、同展開幕に際し同日、同会場にてレセプションが開催された。主催者の佐々木会長は、「敗戦後の暗い時代を絵としてしっかり残し、絵を通じて体感し、想いを共有する貴重な活動を行っているのが李さんのすばらしさである。政治的要素はあるが、自分の想いを素直に絵に描く『一人の乙女』という事を忘れないでほしい」とコメントしたほか、「アジアの中で、人権と自由を自力で勝ち取った国は台湾とインドだけであり、台湾はアジアの宝である」と強調した。

記念撮影左から佐々木会長、許前前代表夫妻、芳枝夫人、李さん夫妻、朱センター長

また、来賓として、台北駐日経済文化代表処(以下:代表処)謝長廷代表の芳枝夫人、台湾文化センターの朱文清センター長夫妻、さらには代表処の許世楷前前代表や李さんの親戚でもある台湾民視テレビ局の田再庭名誉会長のほか、多くの国会議員らも出席し、同展を祝した。芳枝夫人は、「李さんは一人の台湾の母親として台湾人の心の声を描いており、李さんの作品は生命力、情熱、哀愁が満ち溢れていて感銘を受けた」とコメントした。また、日台議員連盟の顧問で、日台のより親密な国際関係構築のため、会場の手配等同展開催に携わった東京都の内田茂都議会議員は、「まさに台湾の国を愛し、そこに生まれ育った事を誇りに思った李さんだからこそ、この報いられない想いを描く事ができたのではないかと思う。同展を通じて日台交流の大きな礎となり、今後も素晴らしい交流ができる事を願っている」と話した。

田名誉顧問流暢な日本語であいさつ

なお、同展は9日まで開催予定であり、李さんの油絵のほか、書道家である李さんの夫の書道の作品も展示されている。

李さん夫妻記念撮影

 

(2017/4/6)