日台相互投資協力でビジネスチャンス拡大へ

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台湾の経済部投資業務処主催の台湾投資セミナーが8月2日、東京都千代田区霞山会館で行われた。

台湾投資セミナーには多くの企業が参加した

米ビジネス環境リスク評価会社(BERI)によって2016年に行われた「第1回投資環境リスク評価報告」おいて1位にランクインした台湾。同セミナーを皮切りに、多くの日本企業に台湾の投資環境を理解してもらい、台日相互投資協力でビジネスチャンス拡大が期待される。

台北駐日経済文化代表処経済組の蔡偉淦副組長によると、2016年台湾の経済成長率は1.5%とゆるやかな成長を遂げており、2017年には2.6%と見込まれているという。その中で、2017年5月の統計では、日本から台湾への投資が200億米ドルを超えている。

台北駐日経済文化代表処経済組の蔡偉淦副組長は日台相互投資でビジネス拡大に期待

蔡組長は、2015年11月26日に締結された、日本と台湾の所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための取り決め「日台租税協定」により、以前より投資がしやすい環境であると主張した。

なお、経済部投資業務処第二科の林美杏科長は、台湾投資の機会として、現在台湾政府が推進している5つのイノベーション産業(グリーンエネルギー科学技術、アジアシリコンバレー、スマート機械、バイオ医薬、国防科学技術)を挙げた。林科長は、「この5つのイノベーションにおいて、日本の優れた技術を台湾に持っていく事で相互協力ができると思う。多くの台湾企業が日本企業の投資を求めている」と主張した。

経済部投資業務処第二科の林美杏科長は5つのイノベーションを挙げ投資機会とした

さらに、林科長によると、台湾で投資するためのネットワークが完備されており、専門スタッフによる投資指南や、地方政府による企業誘致と連携、土地、電力、手続きのプロセスにおいての投資障害排除などのサービス提供も行っている。

なお、日本にも、台湾投資する際のサポート窓口としてジャパンデスクがある。約23年前より「野村研究所」が同窓口を受託し、情報提供などを行っている。同研究所の杉本洋氏によると、現在台湾政府が「新南向政策」を打ち出している事から、日本におけるビジネス機会として、小売り、製造業、不動産産業など自社事業を台湾でカスタマイズし、東南アジアに進出する事で、さらなる事業拡大が見込めるという。

台湾投資窓口である野村研究所の杉本洋氏による講演

(2017/8/4)