台北駐日経済文化代表処(以下:代表処)主催の国慶節を祝うレセプション「中華民国106年国慶酒会」が10月5日、帝国ホテルで開催された。
同レセプションには、日本台湾交流協会の大橋光夫会長、日華議員懇談会の山東昭子副会長、東亜経済人会議日本委員会の槍田松瑩委員長ら来賓のほか、日本架橋団体、メディアを合わせ約1500人の来場が叶った。なかには、安倍晋三首相の母・安倍洋子さんや、バチカン、エルサルバドル、ホンジュラスなど7カ国の駐日大使も出席し、国慶節を祝した。
なお、昨年の来場者数2000人と比較すると約500人減ったが、これは日本の衆議院が先月9月28日に解散し、政界からの来場が減少した事が起因したとみられる。
解厳30年、様々な困難を乗り越えて
代表処の謝長廷代表は挨拶で、今年は戒厳令の解除(解厳)がされてより30年を迎えた節目だと強調した。この30年間で6回の総統選挙、3回の政権交代、7回の憲法改正が行われた事に言及し、「真の民主化が実現した」としている。
一方謝代表は、日台関係にも触れ、日本と台湾は今日まで自由、人権、市場経済等の価値観及び自然災害を共有している「運命共同体」とし、「相互に支援し合い、災難或いは困難を乗り越える姿は世界平和の模範となる」と述べ、今後のさらなる日台関係構築に期待した。
また、日本台湾交流協会の大橋会長は、今年は日本の対台湾窓口機関が「日本台湾交流協会」に、台湾の対日本窓口機関が「台湾日本交流協会」に名称変更した事や、先月9月18日に台湾が日本産和牛の輸入を16年ぶりに解禁した事に触れ、日台関係は着実に発展していると主張。さらに、「次世代を担う日台青少年交流も重要である」とし、同協会は今年より日本航空の協力も経て、台湾の高校生が日本で1年間勉強できるプログラムを開設したとしている。
日台友情の絆、やり投げ小椋選手も出席
なお、同レセプションには、今年8月に台北で行われたユニバーシアードのやり投げ種目の金メダリスト鄭兆村選手に、大学4年間愛用してきた自身のやりを贈呈した日本代表の小椋健司選手(日本大学)も出席した。鄭選手は決勝戦において、小椋選手のやりを使用し、金メダルを獲得したほか、アジア新記録を叩き出した。その後小椋選手は鄭選手に自身のやりを贈呈したという。
謝代表は小椋選手のスポーツ精神溢れる行動が日台友情の絆であるとし、「日台好友の風範」と記載した色紙を贈呈した。一方同席していた日本大学陸上部の指導者である山本祐三氏は、45年前に楊傳廣氏より砲丸投げを指導された事があり、当時楊氏よりもらったメッセージを謝代表に贈った。
(2017/10/6)