新感覚な原住民音楽を生み出す「ヤワイ・モーリン」デビュー後1週間で来日ライブ

0
会場は終始タイヤル族の世界に引き込まれていた

 

台湾原住民タイヤル族の新世代歌手「Yawai Mawlin(ヤワイ・モーリン)」が4月9日、月見ル君想フ(港区南青山)で東京公演を行った。ヤワイ・モーリンは今年の3月30日に台湾でメジャーデビューしたばかりで、そのわずか1週間後に同来日ライブを成し遂げた。ヤワイ・モーリンはライブ終了後、本紙のインタビューに対し、「ライブ中に私の曲を聞いてうっとりしている来場者の姿を見て、全身に鳥肌が立ちました!言語は違うけれど、一緒に私の音楽に入り込んでいる気がして本当に感動しました」と東京公演の成功を喜んだ。

ライブ終了後のサイン会ではファンに笑顔で接するヤワイ・モーリン

なお、当日披露した曲は全てタイヤル語だった。原住民の音楽と聞くと、昔ながらの民族民謡などを想像しがちだが、ヤワイ・モーリンが生み出す音楽は、現代のポップスとマッチした新感覚の音楽であり、日本人来場者も体を横に揺らしながら口ずさむなど会場は終始、ヤワイ・モーリンが持つタイヤル族の世界に引き込まれていた。

ヤワイ・モーリンとそのバンドメンバーら記念撮影

さらに、作詞作曲は全てヤワイ・モーリン自身が手掛けているという。自身の音楽が一般の原住民の音楽とは異なる事に対しヤワイ・モーリンは、「自分のやり方で原住民の曲を書く事で、原住民の伝統や言語を若い世代に伝承していきたい」とし、これが音楽をやる上で一番に重視している部分であると話した。現在は台北に在住しているが、作詞作曲のインスピレーションを得るために、時々故郷に帰省するという。

一方、ヤワイ・モーリンはMCでこの日のために練習した日本語を披露。「小さい頃の山の上での生活とささやかな幸せを歌っています。ぜひ皆さんに音楽を通して、私たちを知って頂き、好きになってもらえたら嬉しいです」と挨拶すると観客席からは大きな歓声と拍手が沸き起こった。

ヤワイ・モーリンは、幼少期にタイヤル族の斯瓦細格(スワシカ)の地域で育った。ヤワイ・モーリンの音楽は伝統的な楽器に縛られず、ポップスの編曲手法を多用し、誰でも口ずさめる様な軽快なリズムの歌である事が現在台湾で話題を呼んでいる。今後は台湾を拠点に幅広く活動していく。