東京スター銀行主催のビジネスコンテストに台湾起業家が出場

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台湾出身唯一の出場となった蔡立義代表取締役(ヘルスバンク)

 

台湾の中国信託商業銀行の傘下にある東京スター銀行(佐藤誠治頭取、本社=東京都港区)主催による外国人起業家ビジネスコンテスト最終選考会が7月18日、ホテルニューオータニのガーデンコートで行われ、台湾出身の蔡立義代表取締役(ヘルスバンク)が出場した。最終選考に残った唯一の台湾出身者だ。惜しくも受賞を逃してしまったが、蔡氏は「台湾のためにも今後はもっと頑張りたい」と話した。

同社は昨年より、お米の籾殻から生体由来「珪素」を抽出し、飲料水や化粧水など商業化を図っている企業。蔡代表取締役によると、現在日本では籾殻による珪素を使用した事業はあまり普及されていないが、新潟、鹿児島などいくつかの県で、籾殻処理の支援を行う法令が定められているという。蔡代表取締役は「今後は日本の地方自治体と協力し、農家の方々とタイアップを図っていきたい」と日本市場参入に意気込んだ。

蔡代表取締役スピーチの様子

同コンテストは、5年以内に日本で起業した外国人を対象に行われ、今回初めて開催された。中華圏、米州、欧州など外国人企業家から全48社の応募が集まり、書類選考による一次審査が行われ、7社が選出された。当日は、各社7分間のスピーチに加え、出席していた審査員及び投資家からの質疑に応答した。

なお、最優秀賞は中国大陸出身の王沁(3DNest)が受賞し、佐藤頭取よりトロフィーと賞金100万円が手渡された。

 

佐藤頭取(左)は最優秀賞者にトロフィーを手渡した

東京スター銀行、外国人起業家を支援

 

東京スター銀行は現在、外国人スタートアップ企業の支援に力を入れている。同コンテストもその一環だった。日本では観光などのインバウンド事業が拡大しているなか、同行は、「日本に定着する外国人を増加させる」事を一つの市場として捉え、外国人が起業しやすい環境を整えるよう推進してきた。

同行の佐藤頭取によると、日本は現在人口減少社会に直面しており、働き手の減少は深刻だという。さらに、日本に対する海外からの直接投資(FDI)は日本のGDPのわずか4%と低く、日本の経済はこれまで日本人だけで支えられてきたとされる。同コンテスト開催により、今後の日本経済を支えていく外国人をバックアップする事に加え、外国人が日本で起業しやすい環境を整える上でのビジネスチャンスにも繋がるとし「人口減少社会という世の中の流れとビジネス上のチャンスがちょうどマッチングしたため開催を決意した」と話した。

佐藤頭取は、来年以降も開催する事に意欲を示しており、「今回の応募者は中華圏が多かったが、次回からは様々な国の外国人起業家が参加できるようにしていきたい」としている。