台湾Acerが米国Gatewayを買収

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8月27日、台湾きってのPCメーカーであるAcer(エイサー)が、米国で第3位のPCメーカーであるGateway社を買収する、と発表した。おそらく、今年のIT系のニュースのみならず、経済・企業ニュースとしても5指に入るビッグニュースだろう。

AcerはGatewayの株式を1株1.90ドルで買収。買収額は約7億1000万ドル。買収は両社の取締役会の承認を得ており、今後は規制当局などの承認を諮ることになるが、ニューヨーク証券取引所に上場する、有名な米企業の買収ということでもあり、米国政府などから横槍が入る可能性もあるかも知れない。順調に行けば、買収完了は2007年12月の見込みであるという。

Acerのリリースなどによると、同社は、Gateway社買収によってAcerの米国でのブランドイメージを高め、米国に強いGatewayは欧州・アジアに強いAcerのブランドの補強をする、という。

合併後の新企業は、年間売上高150億ドル、PC出荷台数2000万台を超える世界第3位のPC企業になる見通しだ。Acerは日本の一般消費者にはあまりなじみがないPCメーカーだが、秋葉原などでは多くのAcerの「ベアボーンPC(自作用半製品PC)」や、PCのマザーボード、そして大型で安価な液晶ディスプレイを多く見る。

日本のPC自作マニアのあいだには非常によく知られたブランドである。また、中国本土でもAcerといえばアジアのトップブランドのPCを作っているメーカーとして非常に人気がある。

中国でちょっとした金持ちはAcerのPCを買うという時期もあった。また、日本や米国のPCメーカーの多くがAcerにPCのOEM供給を受けていたり、多くのAcerのマザーボード(PCの回路全体を載せる基板)を使っており、全世界のPCのほぼ3割はAcerのマザーボードを使っている、と言われている。「隠れた巨大PC企業」がAcerである。

IT業界では、今後アジアのIT企業が米国企業を買収していく可能性が高い、と噂されている。「世界の工場」として多くの売り上げを誇る台湾をはじめとしたアジアのハイテク企業は、多く米国企業やその事業部を買収することによって、「表の舞台」にいよいよ出てくる可能性が高くなった。

<p>最近ではLenovoという中国のベンチャー企業が米国IBMのPC部門を買収、日本をはじめ世界で同社のPC事業を継続して大成功を収めている、という例もある。同社のPCの広告は日本のほとんどPC雑誌のみならず、駅の広告などでも見た方が多いだろう。

一方、日本のPCメーカー企業はそのほとんどがPC以外も作っている複合メーカーだ。そのため、PCの新製品を作っていくサイクルの速さに追いつけず、日本国内はともかく、1社、2社の例外を除けば、なかなか世界のPC企業と肩を並べるまでにならない、というのが現状だ。やがて不採算になった日本の企業のPC事業部門を台湾や中国のPCメーカーがどんどん買っていくことも十分に考えられる。