12.11「寒雲」横浜コンサート“生きる”が大成功

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開演前のステージ

寒雲友の会主催の「生きる~東日本大震災復興支援コンサート~」が12月11日、横浜・関内ホールで開催された。共催は山梨台湾総会・台湾新聞社だった。

寒雲は台湾出身の女性歌手。1978年に台湾でレコードデビューし、1992年に来日した。以降、コンサート活動やレコードをリリースし、また、1999年からはチャリティコンサートや日台青少年文化交流にも力を入れている。2009年、「月の離宮」で念願のメジャーデビューを果たし、その後、シングル「生きる」「雪の手がみ」、アルバム「Crossroad」をリリースし、その歌唱力が業界や幅広いファンに浸透しつつある。

開場前に並ぶ観客
写真、ご許可いただきました
ファンの年齢層は幅広い

会場となった横浜関内小ホール(264席)は、開演の午後7時には観客でいっぱいになった。台北駐日経済文化代表処横浜分処李明宗処長、横浜華僑総会桐山利恵子会長ほか、多くの華僑団体・個人の応援団や日本人ファンが詰めかけた。遠くは盛岡、台湾、上海からも駆け付けた。

熱唱する寒雲
シンガーソングライターせきぐちゆきさんと「生きる」合唱

コンサートは2時間に及んだ。歌われた主な楽曲は、「赤とんぼ」「竹田の子守唄」台湾民謡、「蘇州夜曲」谷村新司作詞・作曲カバー曲3曲(「レストランの片隅で」「棘」「夜顔」)、「ベサメムーチョ」「生きる」(せきぐちゆきと共演)、せきぐちゆき独唱(「手がみ」「金吹雪」「第二十六章十五頁」「歩み/僕ならできる」)、「月の離宮」「雪の手紙」「旅立ちの花」「生きる」(壁にかけられた書「生きる」を背にしてせきぐちゆきさんと)「タイムトゥーセイグッバイ」(ラスト楽曲)だった。

冒頭のトークで寒雲は「こんばんは。結構、いらっしゃいますね。本当に感激、感動です。実はどのぐらい来てくださるか自信がありませんでした。平日ですし、クリスマスや忘年会で皆さん、お忙しい時期ですし」と観客に感謝の言葉を伝えた。

また、寒雲は、「一歩踏み出さなければ何も変わらない。(いろいろ考えて)やらなかったら同じ時が流れていくだけで、思い出すら残らない」「昔は自分のことばかり考えていた。ある時から自分のためより人のために何かしようと思うようになったが、結果として自分のためになった」「こんなにも素晴らしい方々がここに集まってくれた。これは神様が私に仕事をしろとおっしゃっているのでは」など、トークのなかで、様々な人生観を披露し、観客の共感を呼んでいた。 

熱唱する寒雲

コンサートの見どころは、前半の俳優丹下一さんとのコラボーレーション(谷村新司氏のカバー楽曲)、ゲストのシンガーソングライターせきぐちゆきさんとの共演(「生きる」)およびせきぐちゆきさんのコーナー、そして、後半、寒雲の代表曲(メジャーシングル曲)の熱唱だった。

丹下氏とのコラボ

ラストは「タイムトゥーセイグッバイ」。寒雲の高音に伸びのある美しい歌声が師走の横浜の街並みに吸い込まれていくようだった。温かい、素晴らしいコンサートだった。