武蔵野音楽大学は、国立台湾師範大学との国際交流協定に基づき、「音楽・友好のかけ橋」と題し、国立師範大学音楽学部室内管弦楽団と同女性合唱団による演奏会を、9月7日、武蔵野音楽大学ベートーヴェンホールで盛大に開催した。
指揮は、許瀞心(シュ・チンシン)。許氏はアメリカスプリングフィールド交響楽団音楽監督をはじめ、全米各地のオーケストラ、ロシア、アジア各国、南アフリカ、オーストラリア、ブラジルなど世界各国の著名なオーケストラから度々客員指揮者として招聘され、2003年秋より国立台湾師範大学音楽学部交響楽団終身監督となった。
国立台湾師範大学音楽学部交響楽団は、1975年に設立された。台北の国立コンサートホールでの定期公演や、地方の文化センター、野外コンサートなど精力的に演奏活動を行っている。また、国立台湾師範大学合唱団(女性合唱団)は、同大学交響楽団と同じく1975年に編成され、以来、同大学交響楽団との共演でモーツァルト「皇帝ティートの慈悲」、プーランク「カルメル派修道女の対話」などを上演するなど、様々な公演活動を行っている。
会場のベートーヴェンホールは午後4時の開演前には満席となった。
演奏は1部は室内管弦楽団演奏、2部は女性合唱団の合唱と室内管弦楽団との共演だった。曲は、1部は、チャイコフスキー:弦楽セレナーデOP.48、李和莆:《台湾四季》(2012)より、女性合唱団のパフォーマンス、2部は、柯芳隆《2000年の夢》(詞:林央敏)、N.ポルポラ マニフィーカートより、J.ブラームス アヴェ・マリア OP12、F.メンデルスゾーン 「朱よ、来てください」OP.39-1、台湾民謡合唱組曲:《永遠的故郷》《台湾是寶島》《月光光》《十八姑娘》《來甦》。
室内管弦楽団の演奏は有名な曲ということもあり、観客は演奏に熱心に聞き入っていた。女性合唱団は優雅なコスチュームに身を包み、美しい歌声を会場いっぱいに響かせた。最後には日本語で「ふるさと」が演奏(合唱)され、会場は大きな拍手に包まれた。
会場で演奏を鑑賞していた武蔵野音楽大学の学生(1年生:ヴァイオリン専攻)に感想を聞いた。
「最後に日本の歌(ふるさと)を歌ってくださって嬉しいです」「弦楽演奏は一人ひとり弾きこなしていて聞きごたえがありました」「弦楽セレナーデはすごくまとまっていてこっちに伝わってきました。1部の最後の合唱にはびっくりしました。曲を全身で表現していました」「1部の女性合唱団の歌と踊りは楽しかったです」「最後に日本の歌を歌ってくださってありがとうございます」
アンコールは4回、5回と続いていた。