自転車でさらなる日台交流を

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〜自転車の普及・振興に大きな情熱を注ぐ劉金標氏〜

台湾の自転車メーカー「ジャイアント・グループ」の、劉金標(キン・リュウ)董事長は5月10日、広島・愛媛両県の瀬戸内海周辺のサイクリングコースを世界にPRするために、38名のサイクリング仲間と共に来日した。
今回共に来日したのは、ジャイアント・グループの執行長をはじめ取締役や監査役など多くの役員のほか、中華航空や自転車業界のリーダーたち、さらには台湾の女性キャスターら。一行と共に38台の自転車も台湾から運ばれた。
自転車の普及・振興に大きな情熱を注ぐ劉氏のサイクリングツアーは、2007年の台湾一周に始まり、2009年の北京‐上海、2010年のオランダサイクリングと続いた。劉氏は「本来は、昨年(2011年)日本の北海道をサイクリングするつもりだったが、大震災があったため、この活動を1年延ばした。今回の活動は、台湾と日本で初めて行う大規模な自転車交流イベントであり、日本の地元自治体および産業界からも大いに注目されており、積極的な協力をいただいた」と説明した。

5月13日に開催された「台日交流瀬戸内しまなみ海道サイクリング」イベントには、過去36年、自転車に乗ったことがないという、台北駐日経済文化代表処の馮寄台・駐日代表が劉会長らとともに「瀬戸内しまなみ海道」走破に挑戦した。また、中村時広・愛媛県知事、湯崎英彦・広島県知事らが出席し、台湾からの一行を歓迎。「瀬戸内しまなみ海道」のサイクリングの魅力をPRした。同イベントで約40キロにわたって走行した馮寄台・駐日代表は、「36年ぶりに自転車に乗った。80キロのコースのうち、40キロ走る目標を達成できたので満足だ。劉氏は今年78歳(で完走した)。私にはあと10数年あるので、追いつけるようになりたい」と語った。

海道を走破した劉氏は、「風光明媚で景色の変化も多様性に富み、サイクリングに非常に適していた。平地あり、坂道あり、橋からは海が見渡せる世界でもまれにみるコースで、しかも自転車専用道路が非常によく設計されていた」と感想を述べ、「台湾にも素晴らしいサイクリングロードがあるので、日本の自転車愛好者の皆様も台湾でサイクリングを楽しんでほしい」と語り、自転車を通したさらなる日台交流の深まりに期待を示した。