日本の国家資格「中国」から「台湾」表記へ 長年の正名運動が結実 日台議連が制度改正に尽力

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【東京発・台湾新聞】台湾出身者の国籍・地域表記の制度がこのほど改定された。これまで国家資格証明書の「中国」だった表記を「台湾」に変更された。2026年10月1日より実施されている。これを受け日本台湾友好議員連盟(古屋圭司会長)は10月19日、衆議院議員会館で「戸籍における国名表記問題に関するプロジェクトチーム(PT)」の会合を開催し、新制度の実施状況を確認した。

古屋会長をはじめ、PT座長の瀧波宏文参議院議員、台北駐日経済文化代表処の李逸洋大使など在日台湾人及び関係者が出席。40年以上にわたる台湾人の国籍・地域表記の改正に喜び合った。

左2李逸洋大使、左3古屋圭司
左2李逸洋大使、左3古屋圭司

在留カードから戸籍、国家資格へ

日本ではこれまで、台湾出身者の公的書類の国籍欄は「中国」と記載されていた。これに在日台湾人や支援者らは、自らの出身地とアイデンティティーを正しく反映させるよう長年にわたり改善を求めてきた。この成果として、2012年7月に在留カードの「国籍・地域」欄に「台湾」表記が認められた。しかし、戸籍関係の書類は以前「中国」表記のままだった。

日本台湾友好議員連盟は2022年、当時の日華議員懇談会が台湾出身者からの陳情を受け、プロジェクトチームを設置。関係省庁との協議を重ね、2025年5月26日より戸籍の国籍・地域欄に「台湾」と記載できるよう尽力した。しかし、医師や歯科医師などの国家資格証明書では、依然として「中国」と記載されるケースが残っていたため、PTは引き続き改善を働きかけてきた。

国家資格約100種類の国籍欄が対象に

古屋会長は「日本には322種類の国家資格があり、このうち約100種類に国籍に関する記載欄が設けられている。台湾出身者が日本で専門資格を取得しても、証明書に「中国」と記載されることは、本人の尊厳やアイデンティティーに関わる重要な問題」指摘する。

PT座長の瀧波宏文参議院議員は、今回の制度改善により、10月1日より台湾出身者が国家資格証明書の国籍・地域表記を「台湾」に変更申請できるようになったと説明。すでに資格を有している人も、在留カードなど「台湾」と記載された証明書を提出し、所管機関に変更を申請できる。医師免許の場合は保健所が申請窓口となる。

瀧波座長は、地方の行政窓口にも新制度を十分周知し、申請期限を設けずに対応できるよう、さらに関係省庁に求めている。

李大使、日本側の長年の支援に感謝

台北駐日経済文化代表処(李逸洋代表=大使に相当)は、台湾出身者が日本で医療をはじめ各分野の専門職に従事し、専門知識や技術を生かして日本社会に貢献していることに言及した。その一方で、国家資格証明書に「台湾」と正しく記載できない状況が続いていたことを指摘。「今回の制度改革は、台湾人の権益保障にとって重要な前進である」との認識を示した。

さらに、日本台湾友好議員連盟の議員をはじめ、李登輝友の会の関係者や日本側の支援者など、長年にわたり台湾人の正名運動を支えてきた人々に、台湾を代表して深い敬意と感謝の意を表した。

台湾政府の僑務委員で歯科医師の中里憲文さんは、制度改善に尽力した国会議員や関係者への感謝を述べた。「『中国』から『台湾』へ。文字にすれば、わずかな違いかもしれません。しかし私にとっては、自分のルーツとこれまでの医師としての歩みに関わる、本当に大きな意味を持つ変更です」と語った。

これまで台湾出身の医師の中には、免許証に記載された「中国」の文字を「台湾」と印刷したテープで隠して掲示していた人もいたという。「これからは、自分の言葉で『私は台湾出身です』とお伝えすることと、公的な資格の表記が一つになります」と述べ、長年の悩みが解消される喜びを表した。

また、表記の問題には一人ひとりの人生や家族の歴史が込められていると強調し、今後も日本の医療現場で患者や地域社会の信頼に応え、日台友好の発展に貢献していく決意を示した。

歯科医師の大山青峰さんも、長年にわたる台湾人の正名運動の歴史を振り返った。「40年以上前に来日した当時から、台湾人の公的書類に「中国」と記載されていることに疑問を感じていた。今回の制度改善を感慨深く受け止めた」という。また、会合では陳憲文僑務委員や黃世英僑務委員らが過去の活動を振り返り、長年の取り組みが実を結んだことへの喜びを共有したという。

大山さんは「台湾政府の働きかけ、駐日代表処の努力、在日台湾人の協力に加え、多くの日本人支援者の存在が今回の成果につながった」と強調した。特に、長年にわたり台湾人の正名運動を支援してきた永山英樹氏の名前を挙げ、その献身的な活動に感謝を示した。そして、今後も改善すべき課題は残されているとして「台湾政府、在日台湾人、日本の友人たちが引き続き協力し、不合理な制度の改善に取り組んでいくことへの期待する」とを語った。

今回の国家資格における表記改善は在留カード戸籍に続く大きな前進

一方、大学の卒業証書や学位証明書など、一部の公的・準公的書類では、台湾出身者の表記が統一されていない問題も残されている。瀧波宏文議員は「今後も大学の学位証明書などについて改善状況を確認し、必要な対応を続けていく方針」と話した。公的書類の「中国」を「台湾」に改めることは「単なる文字の変更ではない。台湾出身者が自らの出身地とアイデンティティーを正しく示し、尊重されるための重要な制度改革である」強調した。

40年以上にわたる在日台湾人の願いが、日本の国会議員や支援者らとの協力によって具体的な成果に結びついた今回の取り組みは、日台友好関係の深化を象徴する出来事と言える。

2026.10.20