日本アーティストライブイベントで台湾人ファン熱狂

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TGライツスタジオは7月14日、NEO19 NEO STUDIO(台北市)でアニソン、日本のポップカルチャーを紹介するライブイベント「台北特別 A-LIVE」を開催した。ライブ前日には台風7号の台湾直撃に伴い、一時は開催が危ぶまれたが、当日は台風一過の好天となり無事に実施された。ライブでは台湾でも人気が高い佐香智久と春菜るなが集まった大勢の台湾人観客を魅了した。

今回で第二回目となるこのイベントは、台湾でも人気の高い日本のアニメ文化やJ-POPカルチャーをさらに多くの人に知ってもらおうと開催されたもの。特に台湾での日本アニメ・マンガの人気は根強く、今年2月に行なわれた台北国際アニメ・マンガフェスタでは50万人を超える来場者を動員した。今回のライブイベントでは、インターネット動画投稿サイト「ニコニコ動画」から人気に火がつき、メジャーデビューした少年Tこと佐香智久と、第四回全日本アニソングランプリファイナリストの春菜るながライブを行なった。

 

(左から)春菜るなと佐香智久
(左から)春菜るなと佐香智久 ⓒA-LIVE2013

 

トップバッターの春菜るなは「台湾は初上陸なんですけれども、今日はこんな風に暖かく迎えていただけて、自分の歌を届けることができて、本当に嬉しいです。有り難うございます」と日本語で挨拶。会場からは惜しみない拍手と歓声が送られた。ポップな曲では観客が手やペンライトを高く挙げ、会場全体で春菜の歌を盛り上げた。また、自身も熱狂的なアニメファンだと言うことに言及すると大きな歓声があがり、一体感に包まれた会場で5曲を披露した。

 

春菜るな
春菜るな ⓒA-LIVE2013

 

その後佐香智久が登場すると、会場のボルテージは最高潮に。女性ファンからの悲鳴にも近い黄色い歓声が浴びせられた。佐香は「你好。今日は一緒に楽しんで行きましょう」と応え、会場を沸かせた。また、「さっき台湾の言葉で自己紹介しようと思ったんだけど、全部忘れちゃったよね」とおどけると、会場からは日本語で「可愛い」との歓声が相次いだ。それでも「少年T」の中国語を思い出すと、女性ファンはさらにヒートアップ。佐香はアンコールを含めて8曲を披露。台湾人の観客を虜にしていた。また途中のMCでも「ネタ」を披露し、その度に大きな歓声が上がっていた。

 

佐香智久
佐香智久 ⓒA-LIVE2013

 

観客席の最前列でライブを見ていた佐香ファン歴2年の女性会社員は、朝11時から炎天下の中並んだと言う。「ニコニコ動画で彼を知って、以前台北で行なったライブにも行った。声が好き」と佐香の魅力を語った。春菜を見に来たと言う男子大学生は「最近になって好きになった。この機会に実際に見てみようと思って、同級生と近所の友達を連れて来た」と興奮した様子で話した。普段はインターネット動画投稿サイトだけでしか見ることができない歌手の来台イベントとあって、ファンには貴重な機会となったようだ。また、ライブの模様はニコニコ生放送で全世界に向けて配信された。

ライブ後に行なわれた記者会見で春菜は「この国でもアニメの文化が浸透しているんだなと肌で感じられ、凄く嬉しかったし、楽しかった」とライブの感想を語った。また、「アニメに熱心なファンの人が沢山いるんだなと知ったので、親近感が沸いたし、周りに日本でお馴染みのお店やコンビニがあって安心したので、また来たいな思う国でした」と台湾初訪問の印象を語った。佐香は台湾と言う言語の異なる環境でのライブについて「ライブに対する思いは毎回変わっていないが、初めて来てくれるお客さんや初めて自分の歌を聴いてくれる人がそこには沢山いる。だから、その人に向けて、目の前にいてくれる一人ひとりに向けて歌う気持ちで歌っている」、「ジェスチャーとか、いつもより大きい動きで伝えようとしたし、背伸びをして、皆の顔や目を見て歌ってみた」と佐香独自の方法で観客とのコミュニケーションを図ったことを明かした。

 

多くのファンが集まった会場
多くのファンが集まった会場 ⓒA-LIVE2013

 

また、台湾のファンに向けたメッセージとして、春菜は「いい景色を見せてくれて本当に有り難うございますと言う気持ちと、アニメを愛する気持ちや、音楽を愛する気持ちをこれからも大切にしてくれたら良いなと思う。そしてまた自分の歌をここに直接届けにこられるように、頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします」と語った。佐香は「いつもも聞いてくれている人たちのことを思っています。いつも台湾の人のことを思っています。だからまた会いにきます」と話し、台湾再訪の可能性も示唆した。

主催者であるトキオ・ゲッツは今後も同様のアニソン、日本のポップカルチャーイベントを開催するとしている。