台湾22団体がナノテクに出展!今年はステージ発表も

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台湾パビリオンが開幕。代表処の郭仲熙副代表も来場

 

東京ビックサイトで開催中の第17回nano tech2018に、台湾パビリオンが出展している(会期:2月14日~16日)。出展14回目を迎えた今年は、団長を努めた中央研究院物理研究所の呉茂昆院士をはじめ、企業や学校など合計22団体が台湾から来日。ナノテクノロジーを使用した自社製品の展示や技術の研究開発成果を展示し、日本市場参入を図る。

ナノテクノロジーとは、ナノメーター(10億分の1メートル)というナノスケール領域で加工・評価・活用する技術。同展は最新ナノテクノロジーの紹介を主にしている。今年の台湾パビリオンでは、骨修復医薬等「バイオ医薬」、グラフィンの2倍の容量のリチウムイオン電池、金ナノの触媒を用いた添加剤等「エネルギーと環境」、酵素フリーブドウ糖センター等「評価、測定&機器」、建築材料疎水性洗浄ナノコーティング等「ナノ材料と応用」、シリコンカスタマイズされたナノスタンプ等「電子工学と光電子光学」の5つのエリアに分かれ、展示が行われた。

光ファイバー粒子プラズモン共鳴を使用した自社製品INB-200について説明するINSTANT Nano Biosensors

出展した各ブースは日本の市場参入を果たすため、自社製品の日本代理店やOEM生産協力提携先の募集、また、最新ナノテクノロジーを日本と台湾で共有し、さらなる技術開発などを目的としていた。

また、呉院士によると、出展団体の多数リクエストにより、今年初の試みとして、同展が設けるメーンステージでのステージ発表を取り入れたという。台湾パビリオンから参加したのは奈維有限公司(Nanovie)や成功大学など10団体で、同15日にメーンステージの壇上に上がり、台湾最新ナノテクノロジーや製品を来場者に伝えた。

Nano Ceramic Energy Saving Filmは赤外線反射のガラスやフィルムを展示

一方、初日には台北駐日経済文化代表の郭仲熙副代表が会場を訪れ、台湾パビリオンの各ブースを一つ一つ回り、出展者らを激励した。台湾の最新ナノテクノロジーの見識を深めた郭副代表は、「視野を広げれば利益がたくさん得られる」と述べた。

台湾最新のナノテクノロジーの見識を深める郭仲熙副代表

ナノマークを世界各国へ推進

ナノテクノロジーは21世紀の各種産業に革新的な発展のチャンスをもたらすと期待され、現在世界各国政府により積極的に研究開発が行われている。台湾でも、これまでナノ科学及びナノテクノロジーの研究と発展を積極的に推進してきた。

台湾政府は2002年6月より、学術研究、ナノテクノロジーの産業化、核心施設の建設と共同運用、人材育成を主要に12年間に渡って「国家ナノテクノロジー計画」を実施してきた。そのなかで、国内外の企業のナノテクノロジー投資を奨励するため、2003年より世界初となる「ナノマーク認証制度」を適用した。

中央研究院物理研究所の呉茂昆院士(中央)

現在、日本を含めた大部分の国では「ナノ」という言葉に関して国内の法的規則や食品表示の義務はない。呉院士はナノマークついて、「民衆のナノテクノロジー発展への信頼を高めるほか、製品購入の際に消費者の安心も得られる」と述べ、ナノマーク制度適用を各国に推奨していきたいと意気込んでいた。なお、呉院士によると、国際フォーラムなどを通じ、ナノマークに関する推奨活動をすでに行っており、各国で次第に普及されてきているという。

今年の台湾パビリオンは梅の花の写真やマークを壁につけるなど、自然をテーマにしていた