【人物インタビュー】「台湾でそろばん指導」日台、教育の架け橋

0

 

岩原勝さん
岩原勝さん

 群馬県出身の岩原勝さんは台北在住、そろばん教師として景文科技大学、淡江大学などで教鞭を執る傍ら、自らの学校で日本人や台湾人の小学生にもそろばんを教えている。「教えるうえで、日本人や台湾人というのは関係ない。子供は『これは教えなければならない』ということは厳しくやればすぐ覚える」「生徒が日本に帰った時に、『台湾ではそろばんを勉強できなかった』ということがないように」と台北日本人学校の近くでそろばん学校を運営している。
そろばんを台湾で教える岩原さん
そろばんを台湾で教える岩原さん

 岩原さんが初めて台湾を訪れたのは約50年前、中央大学在学時に、台湾で開催されたそろばんの大学世界大会に日本代表として出場したのが契機だった。日本でそろばん学校設立後、学生同士の交流を図る目的で、日本と台湾を頻繁に往来し、往復回数は400回を超えた。現在、岩原さんは台湾に生活拠点を移す。岩原さんは振り返る。「そろばんの連盟を立ち上げようとした際、当時の台湾の仲間が助けてくれた。今でも忘れられない思い出が沢山ある」台湾の人については「人懐っこく、日本人に対して温かい。それが私にとって生きいい国という形になった」と語る。
李登輝元総統と談笑する岩原さん
李登輝元総統と談笑する岩原さん

 そろばん教師として日台の架け橋となる一方、岩原さんは、日台両国の政界のパイプ役として人望も集めてきた。李登輝元総統や許水徳元考試院院長とは公私ともに親しい間柄だ。「私は政治家ではないので、信条として、どの政党であろうと相手がいい人ならお付き合いを何十年もしている。李登輝さんとは文化対談がきっかけで交流が始まった。指掛け九九を教えると、5、6回は食事をしている」台湾と日本の交流については「台湾の人は丸いテーブルで食事をする。丸いテーブルには『誰が上座』など無い。一人二人増えても椅子さえあれば座れる。ワイワイ一回食事をすると何年も付き合ったような気になる。それが台湾人と日本人が仲良くなる一つのポイントだと思う」と笑顔を見せた。
そろばんを通した日台交流
そろばんを通した日台交流